香川真司、パラグアイ戦で示した10番の存在感【河治良幸】 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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香川真司、パラグアイ戦で示した10番の存在感【河治良幸】

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パラグアイ戦で存在感を示した香川真司 (c)朝日新聞社

パラグアイ戦で存在感を示した香川真司 (c)朝日新聞社

「監督が代わって攻撃のベースがなかなかない中で、僕はそこにベースを作り出していきたいなと。それはすごく感じていた。乾とは長年(一緒に)やっているぶん、どういうプレースタイルかを知っている。それはチームとしての武器になるということを、今日は証明できた」

 西野監督は4月の就任会見で「化学反応に期待したい」と語っていた。非常に抽象的な言葉だが、おそらく選手の組み合わせによる相乗効果をイメージしてのものだろう。香川と乾のコンビネーションはそれを生み出し得るひとつのファクターであり、強固なディフェンスを敷くチームばかりが相手となる本大会では重要な武器になりそうだ。

 また、香川は守備に関しても得意のハイプレスに加えてミドルゾーンに下がりながらブロックを敷く場面でも、バランスを取りながら相手にロングボールを選択させるしかない状況を作っていた。「チームとして流動していたと思うので、そこの距離感は本当によかった」と語ったように、試合後は自分のプレーよりもチーム全体の攻め方、守り方に言及していたが、個人のプレーにも手応えを感じていた様がうかがえる。

「90分通して自分はやりきろうと、どんな状況であろうと。それを見失わずにやれていたと思う。ただ、やり続けないと意味がない。次はより厳しい戦いになるし、本当に(ワールドカップが)スタートするので、また気を引き締めてやりたい」

 香川は右サイドの武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)からパスを受け、相手マークを引き付けながら右足ヒールで乾の2得点目もアシストした。また試合終了間際にはカウンターから技ありのゴールを決めている。ただ、絶好のチャンスでシュートを外したシーンもあり、6月19日に行われるコロンビア戦までの1週間では、そのプレー精度をさらに研ぎ澄ませなければならない。

 コロンビア戦での日本は、ここまで自由に攻撃を作らせてもらえないだろう。苦しい状況が続いて守備に回る時間が長くなれば、攻撃にパワーを割きにくくもなる。それでも日本代表の10番がここに来て調子を上げ、チームを牽引するだけの存在感を高めているのは心強い。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才能”」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行予定。


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