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阪神、広島の3連覇を阻止へ…「超変革」がついに成就か

西尾典文dot.
阪神・金本監督 (c)朝日新聞社

阪神・金本監督 (c)朝日新聞社

 残るはDeNAと阪神だが、戦い方の安定ぶりという意味で阪神を推したい。DeNAは大和をFAで獲得したが、課題の投手陣は中日を戦力外になった武藤祐太、独立リーグから獲得したバリオスとあとは新人だけ。徐々に戦力は整ってきてはいるものの、先発、リリーフともに安定感に欠ける印象は否めない。

 一方の阪神は昨年のマテオ、ドリスという強力なリリーフ陣が健在なのが何より大きい。桑原謙太朗の“2年目のジンクス”は不安材料だが、藤川球児、高橋聡文のベテラン勢にまだ力があり、若手主体の侍ジャパンにも選ばれた石崎剛の成長も頼もしい限りである。ドラフトで獲得した馬場皐輔、谷川昌希の二人も即戦力が期待できる実力者であり、層が厚くなったことは間違いない。強力なリリーフ陣を揃えられることが先発陣へ与える好影響も大きいだろう。

 野手は金本知憲監督の公平にチャンスを与えるという起用法が確実にプラスに働いている。若手では大山悠輔、中谷将大の右の大砲二人の成長が著しく、停滞していた中堅の上本博紀、俊介、そしてチームリーダーの鳥谷敬も息を吹き返したように見える。ベテランの福留孝介、糸井嘉男も余力があり、昨年苦しんだ北條史也と高山俊が一昨年のような働きを見せれば、新外国人のロザリオに過剰な期待をかけなくても十分に戦うことができるだろう。中軸の固定されている広島、DeNAと比べると多少破壊力は劣るものの、ベテラン偏重でも若手偏重でもなく、現有戦力をうまく引き上げているところは金本監督の見事な手腕である。

 また、岡田彰布監督時代の『JFK』のようにリリーフの強さを前面に出して戦う今のチーム構成はホームランの出づらい甲子園をホームにしているチームに合っていることも確かである。2015年にリリーフの中心だった呉昇桓、福原忍、安藤優也、高宮和也は既に全員退団しており、短期間にこれだけ選手が入れ替わっても強力なリリーフ陣を揃えることができたのは編成面での大きな成功と言えるだろう。

 『超変革』というスローガンを掲げて金本監督が就任したのは2016年。それから2年をかけてチームは確実に生まれ変わってきている。昨年広島につけられた10ゲーム差を埋めるのは容易なことではないが、2005年以来13年ぶりの優勝に向けて、期待のできる布陣になっていることは間違いないだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。


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