「闘将」と呼ばれた楽天の星野仙一球団副会長が4日、すい臓がんのため、死去した。70歳だった。楽天によると、星野氏は1月4日(木)午前5時25分に永眠。16年7月に急性膵炎を発症したことをきっかけに膵臓癌であることが判明したという。

<その後、体調に波はあったものの仕事に支障をきたすことなく過ごしておりましたが、2017年12月末より病状が悪化し、息を引き取られました。最期は昼寝でもしているような安らかな表情でご家族に看取られて旅立たれました>(楽天が発表したプレスリリースより抜粋)

 明治大学野球部から中日入り。エースとして活躍し、引退後は中日、阪神、楽天の監督を歴任した。4度ものリーグ優勝を飾り、楽天時代の2013年には日本一に輝いた。2017年に野球殿堂入りし、同年11月末に東京で、12月1日には大阪で「野球殿堂入りを祝う会」が盛大に開かれ、約2千人ものプロ、アマの球界関係者が一堂に集まった。東京で祝う会に出席した元プロ野球選手の江本孟紀氏はこう振り返る。

「半年に一度ぐらい会っていたが、最近は痩せており、身体が悪いとは聞いていた。昨年末に会ったときは元気そうだった。星野さんは私の体のことを心配し、『体調どう』と聞いてきた。私が星野さんに体調のことを尋ねると、『体調はイマイチやな』と笑っていた。パーティ会場の入り口で会って立ち話し、一緒に記念撮影をしたのが、最後になってしまった。まさか、こんな急に亡くなるとは思いもしませんでした。昨日夜、亡くなったことを知った時、強いショックを受けました。私と星野さんは昭和22年生まれの同い年。18歳の大学時代からお互いのことは知っていた。今でも明大のキャプテンでサード側のコーチボックスに立っていた星野さんの姿をよく覚えています。その後、プロに入って長い付き合いとなったね」

 14年にユニホームを脱いだ後も、15年に楽天の球団副会長に就任。ONとともに球界への影響力は大きかった。南海、阪神など現役時代、ライバルだった江本氏はこう振り返る。

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