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テレビ界初の漫画原作バラエティ『 カイジ』の革新性とは?

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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年末年始にはテレビ各局でさまざまな趣向を凝らした特番が放送されている(※写真はイメージ)

年末年始にはテレビ各局でさまざまな趣向を凝らした特番が放送されている(※写真はイメージ)

 年末年始にはテレビ各局でさまざまな趣向を凝らした特番が放送されている。その中でも異彩を放っていたのが、12月28日に放送された『人生逆転バトル カイジ』(TBS系)である。

 これは、福本伸行作の人気漫画『カイジ』シリーズの世界観をベースにしたバラエティ番組。原作漫画では、伊藤開司(カイジ)という若者が、多額の借金を返済するために命を懸けたギャンブルに挑んでいく。この番組でも、原作の設定通り、多額の借金を抱えた一般人や芸人が12人集められ、賞金200万円獲得を目指してギャンブルに挑戦する。

「業界初の漫画原作バラエティ」という触れ込みのこの番組は、過去に前例がないため、どういう仕上がりになるのか想像もつかなかった。いざフタを開けてみたら、細部にわたる制作者のこだわりが感じられて、満足度の高い内容だった。

 この番組のどこが良かったのか。その理由は大きく分けて3つある。1つは、番組内で行われるギャンブル競技が「心理戦」として見ごたえのあるものだったということだ。

 ファーストステージの「鉄骨渡り」では、参加者が3人ごとに高所に渡された幅の狭い2本の鉄骨の上を渡っていく。人数よりも少ない数の鉄骨が用意されているというところに駆け引きの余地がある。基本的には先行して渡るのが有利ではあるが、後続の人に後ろから突き落とされるリスクもある。いち早く進むのが有利なのか、あとから追いかけるのが有利なのか。そこに戦略を考える余地がある。

 また、セカンドステージの「多数決カード」は、参加者それぞれが互いの手持ちのカードの色を予想しながら駆け引きや交渉を行っていくという純粋な心理戦のゲームだった。ここでは、探り合いが続く中で、大胆な行動に出た1人の参加者が、ほかのメンバーから警戒されて、孤立して蹴落とされるという事態に陥った。ここに至るまでの過程も実にスリリングだった。

 参加者同士がそれぞれの立場で考えをめぐらせて相手の裏をかこうと必死になる「心理戦」を分かりやすく見せるのは難しいことだ。だが、この番組ではそこを丁寧な演出でうまく見せることに成功していた。


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