好不調の波はやや激しいが、乗ると手がつけられない。サイドだけでなく、中央に侵入されてからの危険性を考えると、日本はセネガル戦では本職センターバックの槙野智章をW杯アジア最終予選のアウェー・オーストラリア戦のときのように左サイドバックで起用するプランも有効かもしれない。

 3試合目で対戦するポーランドには“クバ”ことヤクブ・ブワシュチコフスキ(ウォルフスブルク)がいる。昨年夏までの10シーズンはドルトムントに所属し、香川真司とのコンビネーションから相手陣内を崩す場面も多かった。ブワシュチコフスキは個の打開力に優れ、正確なクロスを備える選手でありながら、周囲の味方を使う上手さもあり、攻撃のバリエーションはクアドラードやマネを凌駕する。

 また、ドルトムントでも長くコンビを組んだ右サイドバックのウカシュ・ピシュチェクとの連係は絶妙であり、ブワシュチコフスキがやや中寄りでボールを持てば、すかさずピシュチェクが追い越してクロスに持ち込むか、リターンを受けたブワシュチコフスキが決定的なラストパスを放つ。そしてその先には、同じくドルトムントでプレーしていたエースのロベルト・レバントフスキ(現バイエルン)が構えているのだ。

 右サイドからの攻撃を強みとする3カ国に対し、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も相当に警戒して当たるだろう。その突破を阻止できれば相手の攻撃を大きく限定できるだけに、日本の左サイドバックと相手のサイドアタッカーの“デュエル”が勝負のカギを握ると言っても過言ではない。(文・河治良幸)