橋本治が衆院選を総括! ANZEN漫才の「かならず選挙に行く~」が表すホントのコト (4/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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橋本治が衆院選を総括! ANZEN漫才の「かならず選挙に行く~」が表すホントのコト

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橋本治(はしもと・おさむ)/1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『三島由紀夫とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『たとえ世界が終わっても』『知性の顛覆』『いとも優雅な意地悪の教本』等

橋本治(はしもと・おさむ)/1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『三島由紀夫とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『たとえ世界が終わっても』『知性の顛覆』『いとも優雅な意地悪の教本』等

 それも当然の話で、戦争が終わった1945年の段階で日本に政党って、非合法とされていた共産党を除けば「大政翼賛会」しかなかったんだから……。そういう「政党がひとつも無い状態」から、この先、どうやって日本の政治を作っていこうか? という状況を経て、いろいろな政党が乱立し、せめぎあっていたのが「55年体制以前」の日本の政治なわけで、日本はこれから、もういっぺん、そういう段階に戻って行くのかもしれない。まぁ、現実へんな一強のデッドエンドに行き着いたら、元に戻ってもいい。

 ただ、みんな「昔に帰る」って言うと、すぐ、「戦前の軍国主義の時代」に還るみたいなコトを想像するけど、そうじゃなくて、一旦「終戦」という、例えるなら「ビッグバン直後」の状態のこと。つまり、戦後の日本政治が「55年体制」というひとつの形にまとまる前の、まだ「宇宙を漂う塵の集まり」みたいな段階だったころに戻ってみて、間違えた迷路をもう一度振り出しから考え直してみることが必要なんじゃないですかね。戦後日本はちゃんと始まってなかったんだっていうことですよ。

 よく「政党が乱立するのは、政治が不安定になってよろしくない」なんていう人がいますけど、私は政党が乱立して、くっついたり離れたりするのは別に悪いことじゃないと思っているんですね。今「支持政党ナシ」の人が多いというのも、そういう「さまよえる知性」が転々としている様であって、逆にこのご時世に「支持政党アリ」って人って、いったい何だろうと思っているわけ。そういう人たちは何があっても「稲田朋美」に投票し続けるわけでしょ?

 そう考えると、ANZEN漫才の「必ず選挙に行く」というのは、ある意味、そういう「支持政党アリ」の人たちを「支持政党ナシ」の人たちが風刺するような歌だと捉えることもできると思いますね。

(取材・構成/川喜田研)


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