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西武、いざ下剋上へ 「あの一球」の悔しさを胸に…CSでリベンジに燃える男

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中島大輔dot.

CS第2戦で先発すると予想される十亀剣(c)朝日新聞社

CS第2戦で先発すると予想される十亀剣(c)朝日新聞社

 4年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出を果たした西武にとって、勝ち抜きのカギを握るのはエース・菊池雄星の“次”の先発投手だ。強力打線、足を絡めた攻撃を誇るだけに、先発が試合を作ることができれば勝利の可能性は高くなる。

 本拠地メットライフドームで行われる楽天とのCSファーストステージ第2戦では、報道によると、今季8勝7敗、防御率3.40の十亀剣が先発に指名された。今季5試合で対戦して3勝1敗、防御率1.78と相性の良さもあり、大事なマウンドを任された格好だ。

「あの1球を僕がどう考えて投げたのか……。あの1球をないがしろにしてはいけないと思います」

 十亀がそう振り返るのは、楽天に今季唯一の黒星をつけられた10月2日の一戦だ。CSファーストステージの本拠地開催を争っていた直接対決で、5回まで無失点に抑えていた右腕はわずか1球に泣いた。1対0で迎えた6回無死1塁で、ウィーラーに逆転ツーランを許した内角高めへの148kmストレートだ。

「ボール球から入る慎重さがあっても良かったけど、バッターがホームランをよく打ったというところだよ」

 辻発彦監督がこう振り返ったように決して悪いボールではなく、状況や局面を無視すれば、打ったウィーラーを褒めるべきところだ。しかし翌日3日になっても、十亀自身はそう割り切ることができなかった。

「正直あの1球が甘かったら、僕の失投で済む話です。相手投手が則本(昂大)でしたし、あの1点で勝たないといけないと思っていた僕もいましたし、結果的にもそうでしたし(1対2で逆転負け)。あそこで一番打たれちゃいけないのがホームランでした……」

 なぜ、一発のある外国人打者に対し、バッテリーは初球で内角にストレートを突っ込んだのか。

「僕自身、インコース真っすぐのサインに納得して投げているんですよ。キャッチャーと僕の意図はたぶん合致したと思います。つまらせて、ゲッツーのとれるランナーでしたし。ただ、結果的にホームランじゃないですか。『外でよかったんじゃないか』という人もいますけど、その答えはないので、なんとも言えないところです」

 プロ入り6年目の今季、自身初の月間MVPに輝くなど成長の跡を残してきた十亀だが、先発として乗り越えるべき壁がふたつある。


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