相談者(妻):そうですね。祖父が趣味で集めていた各地の提灯のコレクションが飾ってあったり、小さいですが庭もあったりするので、普通のマンションよりは日本の暮らしを楽しんでもらえるかもしれません。

泉:では、○にしましょう。立地は△くらいでしょうか。価格についてはこれからですが、東京ではたくさん競合がいるはずなので価格で競争力を出すことは重要です。つまり、安く設定すること。同じくらいの条件でいくらくらいで貸している人が多いか、相場を調べてみるのが第1のステップです。

相談者(妻):ちょうど友人が調べてくれたのですが、週に1万円くらい、1泊あたり2千円くらいが平均的みたいです。私もそれくらいが妥当じゃないかと思っています。

●「上」「中」「下」で予測する

泉:では1泊2千円の想定でプランニングしていきましょう。副業とはいえ、きちんとお金を考えていきたいので、あえて“事業計画”と呼びましょう。事業計画を立てる上では、だいたいこんな感じだろうと見込めるプランのほかに、すごくうまくいくケースのベストシナリオと、残念ながらうまくいかない場合のワーストシナリオも考えておくのがおすすめです。「上」「中」「下」の3パターンを考えるということですね。

相談者(夫):なるほど。

泉:では、まず東京のシナリオから作ってみましょう。平均的なシナリオ「中」の
イメージとしては週に2・3泊くらいですか?

相談者(妻):そのくらいですね。

泉:では、月にすると10泊くらいですね。10泊×2千円で月2万円。年間売り上げは24万円が見込めます。ベストシナリオでは倍の月20泊くらいでしょうか。すると年間売り上げも倍の48万円になります。ワーストシナリオでは2分の1の月5泊として、年間売り上げは12万円になります。これで、ざっくりと1年間の売り上げの幅が見えてきましたね。

相談者(妻):一気に具体的になりました。

泉:ランニングコストでいうと人件費はかかりませんね。税金については個人が副業で始める場合は、収入として20万円を超えると所得税がかかるようになるので確定申告が必要になります。逆に考えると、「確定申告は面倒でやりたくない」と思う人は、収入が20万円以下に収まる範囲で計画すればいいということになります。ちなみに今回の場合はご両親が塾やアパートの経営をすでになさっているということですので、新たな事業の収入として申告すれば何も問題ありません。

相談者(妻):安心しました。

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