バブル期は、日本人が史上最も浮かれていた時代であり、その時代特有の奇抜でギラギラしたものがたくさんあった。「ジュリアナ東京のお立ち台で扇子を片手に踊るボディコンギャル」はその代表例である。空前絶後の好景気の時代だったからこそ、普段は真面目な日本人も羽目をはずして、「1万円札を見せびらかしてタクシーを止める」というような後世に語り継がれるド派手でおバカな行動を繰り広げていた。

 現在、アベノミクス効果で景気は回復しつつあると言われているが、一般人が生活の中でそれを実感するのは難しい状況にある。経済状況と人々の気持ちがリンクして、日本が世界一の経済大国へと上り詰めたバブル期は、もはや二度と帰ってこない日本という国の「青春」そのものなのだ。

次のページ
バブル世代は高齢者になり、知らない世代は複雑な思い