21世紀に入ると、セ・リーグではリーグ3連覇を2度達成した巨人と8年間で4度のリーグ優勝を記録した落合博満監督率いる中日の2強時代がしばらく続いた。パ・リーグでは、福岡ダイエー時代からソフトバンクに親会社が変わったホークスが、各時代に分厚い選手層でリーグを席巻し、北海道移転後に5度のリーグ優勝を記録した北海道日本ハムとともにリーグをけん引している。

 広島も75年の初優勝から91年まで6度のリーグ優勝を記録しており、79、80年のリーグ連覇の後、Aクラス常連だった80年代は第1期黄金時代と呼ぶべき成績を残している。

 当時は山本浩二と衣笠祥雄の2人のスーパースターが在籍し、江夏豊、水谷実雄、三村敏之、水沼四郎などのベテランが中心のチームで、高橋慶彦、北別府学、大野豊などの世代が後に続いた。「耐えて勝つ」がモットーの名将・古葉竹識監督が、カープの代名詞ともなった機動力野球で、赤ヘル旋風を巻き起こした。

 今回の広島の連覇は、丸佳浩、菊池涼介、田中広輔の同級生トリオを中心にした若いチームで、その上に黒田博樹と新井貴浩の2人の名球会入りしたベテランが重しになり、チームに化学反応を引き起こした。FAなどの流動的な問題もあるが、現在は投打ともに選手層の厚さはリーグ屈指で、今後もセ・リーグをけん引するチームになると評価する声が多い。

 投手陣では前述の同級生3人と同年齢の野村祐輔に続く存在として、大瀬良大地や九里亜蓮、さらには岡田明丈、薮田和樹などの若手も順調に育っている。

 リリーフ陣の中崎翔太や今村猛、中田廉などもまだ20代と若い。野手も23歳で不動の4番打者に成長した鈴木誠也を筆頭に、こちらも”タナキクマル”世代で10年目の大ブレイクを果たした安部友裕や4番も任される松山竜平、さらには西川龍馬や野間峻祥など、次世代を担う若手も順調に育っている。ジョンソン、ジャクソンなど外れの少ない外国人投手に、野手ではドミニカアカデミー出身のバティスタやメヒアが支配下登録されるなど、外国人補強もうまく機能している。

次のページ