ルーキーの西武・源田(c)朝日新聞社
ルーキーの西武・源田(c)朝日新聞社

 西武の若手が孤軍奮闘している。

 開幕からフルイニング出場を続けているルーキーの源田壮亮をはじめ、レギュラーをつかんだ外崎修汰、打棒覚醒の様相を見せている山川穂高、呉念庭は8月25日の1軍昇格からチャンスを得ている。

 3年連続Bクラスとなったここ数年の西武は「若手の伸び悩み」がささやかれたが、過去には松坂大輔(ソフトバンク)や和田一浩、細川亨(楽天)らチームの主力級がFAなどで移籍しても、次から次へと若手が台頭してきた。このチームには、その伝統のようなものが息づいている。

 当然、若手が育つ理由はある。

 若獅子のリーダーとしてキャプテンも務めた栗山巧が、かつて、西武にある環境についてこんなことを話していた。

「『若手のためにプレーしやすい環境を作らなアカンかな』と意識的に考えたこともあるんですけど、浅村(栄斗)と金子(侑司)は同い年で、秋山(翔吾)や(炭谷)銀仁朗も年が近いでしょ。年齢が近い者同士がチームにいると、刺激にもなるし、『負けてられへん』ってなるし、『遅れは取れないな』という気持ちに自然となるんですよね」

 西武のメンバー構成を見ていると、主力に年齢の近い選手が多い。

 現キャプテンの浅村と金子は入団年こそ違うものの同学年だ。入団当初のポジションはともに遊撃手だったし、お互いの存在がいかに刺激になったか計り知れる。事実、金子が入団した2013年、浅村は打点王として初タイトルを獲得しているのだ。

 チーム編成上、同じ学年の選手が同ポジションにいると出場機会が減るため、アンバランスなチーム作りになることが危惧される。しかし西武はそこに迷いがない。むしろ、年齢が近い選手を置くことで意識を高めているのだ。かくいう栗山も若手として抜擢を受けた時、チームには中島裕之(オリックス)と片岡治大(巨人)という1学年上の先輩がいた中で、栗山は同い年の中村剛也としのぎを削ってきたのだ。

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