古賀茂明「大臣が国会で官僚の原稿を“棒読み”する4つのメリット」 (2/5) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「大臣が国会で官僚の原稿を“棒読み”する4つのメリット」

連載「政官財の罪と罰」

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著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著『日本中枢の崩壊』『日本中枢の狂謀』(講談社)など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

著者:古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著『日本中枢の崩壊』『日本中枢の狂謀』(講談社)など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

 実際、記者たちは(もちろん優秀な人は自分でも判断しようとするが、そういう場合も含めて、)官僚が、「あの先生はよく政策を理解している」「政策に詳しい」、「その話なら、あの先生のところに聞きに行ってごらん」「あの先生はド素人だからそんなことを言うんだよね」などと言うのを聞いて、どの政治家が「政策通」なのか、あるいは「素人」なのかを判断することが多いのである。

●素人議員が政策通になるまで

 政治家になったばかりの時、多くの議員は、政策について素人だ。一部の分野に詳しくても国政全般について詳しいということはまずないので、必ず、ある分野では素人だと言っても良い。それはある意味当然のことだ。

 では、もし、議員が、ある分野で素人であるが、自分もプロになりたいと思ったら、どうすればよいのだろうか。

 まず、第1段階では、党内の勉強会(部会、調査会、部門会議などという名称で呼ばれる)に出席する。そこには多くの場合、官僚が講師として来ていて、特定の分野の政策について詳しい説明を体系立ててしてくれる。さらに個別に官僚を呼んで説明を受けることも可能だ。法案審議や重要な政策決定の前には、官僚の側から説明に来ることもしばしばある。これらによって、完全なド素人でも、それなりに政策が理解できるようになるのだ。本を読んで勉強するよりはるかに簡単に必要最小限のことを身に着ける方法である。

 ちなみに、自民党では、多くの議員がこのような勉強の仕方で政策を学ぶため、ほとんどの議員が、まるで官僚そのもののような考え方に染まっている。官僚たちは、政治家を自分たちの考えに染め上げるのを仕事としていると言っても過言ではない。そのために大きな労力をかけているのだ。

 こうして、議員は比較的楽に官僚たちの考えを理解するようになる。しかし、それだけでは、官僚たちは「政策通」とは呼んでくれない。官僚たちが「政策通」と呼ぶ議員は、官僚たちが説明した政策を正しく理解するだけでなく、その内容をあたかも自分の考えであるかのように自分の言葉で外に向かって発信できる能力を身につけていなければならない。これが第2段階だ。


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