例えば、大臣が国会で答弁する時に、政策を理解していても、役人が作った答弁書をそのまま読んでいるようでは、まだ素人ないし初心者に過ぎない。答弁書を参照しながら、時折顔を上げて、カメラや質問者に目を向けられるようになれば、とりあえず一人前。

 さらに、第3段階は、そこから一歩進み、答弁書はちらっと見るだけで、胸を張って自分の言葉で滔々と語りかけられるようになることが必要だ。
さらに、第4段階は、予期せぬ質問が来ても、政策をしっかり理解していて、間違ったことを言わない、特に、言ってはいけないことを絶対に言わない、うまく本題をそらしてずるがしこく逃げることができるというレベルだ。ここまで来れば、その分野における「政策通」というお墨付きが与えられる。

 一言で言えば、官僚や族議員たちの利権の構造を良く理解して、それを壊すようなことを言わずにもっともらしくふるまえる人、官僚が安心して見ていることができる人ということになる。官僚から見れば、「最も使える」大臣が「政策通」大臣だ。

●官僚が認定する政策通と変な人の違いとは?

 政策を正しく理解すると、時には、その問題点を見つけてしまうことがある。特定の利益団体のことを守ろうとして国民の利益がないがしろにされていることは往々にしてあるが、まともな議員がちゃんと勉強すると、それに気づくわけだ。

 その時、その問題を指摘したり、正しい政策への変更を求める議員も出て来る。国民から見れば、それこそ、本当に必要な「政策通」だが、官僚たちは、そういう議員を政策通とは呼ばない。

 では、何と呼ぶかというと、官僚たちは、そのような議員を「変な人」「問題児」などと呼ぶ。官僚は、自分たちに都合の悪いことを見破ってそれを正そうとする議員のことを、「あの人は変な人だから気を付けた方がいいよ」とか、「彼は問題児だからね」、「なんか勘違いしてるんだよね」などと「変な人」扱いして、マスコミなどがなるべく近づかないように仕向ける。

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