小林麻央さんが最後に選択した在宅医療7つの誤解 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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小林麻央さんが最後に選択した在宅医療7つの誤解

小林麻央 (c)朝日新聞出版

小林麻央 (c)朝日新聞出版

【誤解その3】在宅療養は家族の介護負担が大変?

 いろんな調査を見ても「在宅療養は難しい」と考えている人はたくさんいます。東京都が2012年秋におこなった調査では、6割近くが「難しい」と答えていました。なかでも複数回答で最多だったのは「家族に負担をかけるから」で8割近く。数字だけを見ると、在宅療養は大変、ということになりますが。

 確かに家族にとって、自宅での介護負担は軽いものではありません。ただ、こうした調査を見て感じるのは、「大変」「できない」というイメージが先行し、在宅療養でも「できること」がたくさんあるのを知らない人が多いことです。イメージで「できない」と決めつけるのではなく、在宅ケアで「どんなことができるのか」を、少し学んでみてください。「在宅」のイメージが変わるはずです。

【誤解その4】在宅医療を始めたら、病院には戻れない?

 そんなことはありません。日本の医療はフリーアクセスですから、通院ができなくなって在宅医療を受けるようになっても、それまでの病院の主治医にかかり続けることは、かまいません。

 たとえば、がんや難病のように治療の専門性を必要とされる病気では、それまでの主治医のいる病院に2~3カ月に1回定期的に通院し、普段はそれと並行して近所の診療所に通院したり、在宅医療を受けたりしている人は珍しくありません。病状が落ち着いたり、看取りが近くなったりしたら、在宅医療一本に絞る、ということが多いようです。

「併診」の場合は、病院と診療所の両方の医師が連携することが大切です。そうすれば、入院が必要なときには、かかっていた病院にすみやかにつなぐことができます。

【誤解その5】おひとりさまの「最期まで在宅」はむずかしい?

 よく言われることですね。在宅医に会ったときに、「おひとりさまでも最期まで自宅生活は可能ですか?」と質問していますが、答えは全員、ほぼ同じです。「可能ですよ。認知症の人は少々ハードルが高いけど」

 ただし、条件がいくつかあります。(1)本人に自宅生活への強い希望があること、(2)医療と看護・介護がチームを組み適切な支援ができること、(3)周囲に支えてくれる人がいることです。実際に「最期まで家にいたい」という独居の人に何人もお会いしましたが、この三つの条件を備えていました。認知症の人でも症状が穏やかで、きちんとしたケア態勢が組め、親身になって支えてくれる人がいれば、自宅で安らかな看取りを受けることも夢ではありません。

 地域の居場所や、「通い・泊まり・訪問」のできる小規模多機能型ホーム、自宅と同じように暮らせるホームホスピスなどが近くにあれば、可能性はさらに広がります。


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