憲法改正がその前に実現しているかもしれないが、いずれにしても、今の超タカ派路線が安倍一強終焉後も続くということだ。そのことを今のうちから、有権者が気付くかどうか。逆に言えば、小池氏がいかにそれを気づかせないで(例えば、あえてハト派的な言動をとる)、国政進出までの政治活動を行うか。その点が要注目点になる。

■小池首相誕生の障壁は年齢とオリンピック直前の都知事選

 ちなみに、小池氏自身の国政進出はいつになるのか気になる方のために、頭の体操をしてみたい。

 来年と目される衆議院選に小池氏が出馬する可能性はほとんどゼロだと誰もが考えているだろう。オリンピック・パラリンピック(オリパラ)の準備を投げ出しての国政進出となれば、都民も国民も「無責任だ」と強く批判するのは目に見えている。

 では、2020年のオリパラ実施後はどうだろうか。オリパラは7~9月開催だが、不運なことに、7月が小池知事の任期末で、オリパラ直前に都知事選がある。再選は難しくないだろうが、逆に再選されると、それからしばらくは辞任しにくくなる。オリンピックの開会式に出るために知事再選を果たし、五輪が終わったら投げ出すのは無責任という批判が出るからだ。
 問題は、そのまま24年まで知事を務めると、小池知事は72歳になってしまうこと。その年に衆議院選があるという保証はなく、1年以上待たなければならないかもしれない。72という年齢でももちろん、総理を務めることは可能だろうが、エネルギッシュな小池氏のイメージがその時まで維持できているかはかなり疑問である。

■五輪前の小泉進次郎氏へのバトンタッチというシナリオも

 年齢のことを考えれば、国政復帰は早い方が良い。しかし、「無責任批判」を封じるのは難しい。このパラドックスを解くのは至難の業だ。

 そこで、やや荒唐無稽だと思われるかもしれないが、それを可能にする方法を提案したい。

 それは、オリパラ直前の小泉進次郎氏へのバトンタッチだ。20年7月には、オリパラの準備はほぼ終わっていなければならない。逆に言えば、小池知事がいなくてもオリパラは実施できるはずだ。

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