バルセロナのバルメトウ会長(左)と楽天の三木谷氏(右)は揃って会見に臨んだ。(写真:Getty Images)
バルセロナのバルメトウ会長(左)と楽天の三木谷氏(右)は揃って会見に臨んだ。(写真:Getty Images)

 楽天サッカーの名門クラブ、バルセロナが年間5500万ユーロ(約64億6000万円)+成績ボーナスで来季以降4年間(1年延長のオプション付き)の胸スポンサー契約を結んだというニュースは、スペインでは大歓迎されている。

 シャツの胸にスポンサーを入れることが不名誉とされた時代であれば反発されただろう。だが、強いチームを作るにはリオネル・メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスに代表される高年俸の選手を獲得・維持することが不可欠であるという認識は、完全にバルセロナファンの間に浸透している。

 「収入増=戦力アップ」ならば、契約金額が高ければ高いほど歓迎されるのは道理。新契約で楽天が支払うスポンサー料は、今季カタール航空が払う推定3500万ユーロ(41億1000万円)を大幅に上回っているのだ。

 実は、今年7月に発表されたカタール航空との契約延長はバルセロナフロントの失策だった。ジョゼップ・マリア・バルメトウ会長は大幅アップでの契約更新をソシオに約束していたのだが、結果は現状維持での延長。今回の楽天との新契約は会長にとっては名誉挽回だったわけで、5500万ユーロ×4年間という数字がビッグニュースとして喧伝されることになった。

 もう一つ、このニュースがバルセロナファンを大喜びさせたのは、合意に達するプロセスが美談として伝わっているからだ。

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