【Q5】葬式後、戒名料はどのように支払えばいい?


【A5】「お布施」に含めて、支払います

 実は「戒名料」という設定は本来ありません。全国の寺院の9割以上が所属する「全日本仏教会」は2000年、戒名は売買の対象ではないと表明し、同時に「戒名料」という表現を今後は使用しないと宣言したのです。現在、寺院への志納や読経に対するお礼など、寺院が受け取る金品はすべて「お布施」で統一されています。したがって、お布施のなかには戒名料も含まれます。

 その金額は宗派や寺院への貢献度などによっても異なりますので、不明点があれば寺院にたずねましょう。戒名を生前にもらう人もいれば、葬儀に合わせて戒名をもらう人もいます。後者の場合、「戒名料」は葬儀での読経に対するお礼などとまとめて、「お布施」として支払います。寺院には、葬儀の翌日か翌々日に喪主が出向き、お礼の言葉とともにお布施を渡すのが一般的です。

※週刊朝日ムック『はじめての遺言・葬式・お墓』より

日本葬祭アカデミー教務研究室代表・葬祭カウンセラー 二村祐輔さん
ふたむら・ゆうすけ/葬儀コンサルティング、講演活動などを展開。テレビでも活躍。葬儀社に約18年間勤務し、2000件以上の葬儀にかかわる。『60歳からのエンディングノート入門 わたしの葬儀・法要・相続』(東京堂出版)など著書多数