そんな「世界のAOKI」が死闘を演じたバルタスロールに、今年は松山英樹、谷原秀人、池田勇太が挑む。5年ぶり3度目の出場となる池田は、2週間後にリオ五輪を控えており、ここでしっかり結果を残して日の丸を背負いたいところ。谷原は全英オープンこそ予選落ちしたが、今年は国内ツアーで2勝し賞金ランク(海外メジャー含む)ではトップに立っており、今季最後のメジャーでの上位進出に期待がかかる。

 そして注目の松山。全米オープン、全英オープンと大舞台で続けて予選落ちを喫したことで周囲を心配させているが、練習ラウンドでは好プレーを見せており、本番で同じようなゴルフができるかが課題となる。

 その松山は、日曜に現地入りするとアイアンをキャビティバックから、4月のマスターズで7位になった時に使用していたマッスルバックのスリクソンZ945に戻し調整。練習ラウンドのプレーが試合でできていないことから「(好調な)練習ラウンドは気にしていない」とややテンション低めだが、この肩の抜けた感じが、逆に好結果につながる予感すらする。

 また、全英オープンでロリー・マキロイ(北アイルランド)とバッバ・ワトソン(米)、全米オープンではセルヒオ・ガルシア(スペイン)とダスティン・ジョンソン(米)というスターとのペアリングだったが、今回はJ.B.ホームズ(米)、ブライアン・スチュアード(米)が同組。もともとマイペースではあるが、これまでに比べれば、さらに松山のペースでプレーできるだろう。

 バルタスロールの死闘から36年。果たして松山は、今季最後のメジャーで日本のレジェンドを超える快挙を達成することができるだろうか。

(文・田村一人)