全米プロに臨む松山英樹(写真:Getty Images)
全米プロに臨む松山英樹(写真:Getty Images)

 今季メジャー最終戦の全米プロゴルフ選手権が、現地時間28日にバルタスロールGC(ニュージャージー州)で開幕する。リオデジャネイロ五輪が行われるため、今年のプロゴルフのツアースケジュールは過密。この大会は通常なら8月中旬に実施されているが、今シーズンは全英オープンから1週空けて、プロゴルファー世界一決定戦が開催されることになった。

 97回大会となった昨年は、オーストラリアのジェイソン・デイが、2位に3打差をつける大会新記録の通算20アンダーでメジャー初優勝。それまでのメジャーでは散々惜敗してきただけに、ウィニングパットの前から涙を浮かべていた姿は感動を呼んだものだった。

 舞台となるバルタスロールでの全米プロは、フィル・ミケルソン(米)がメジャー2勝目を挙げた2005年以来。そのミケルソンは46歳となり、メジャーコンテンダーとして注目されることも少なくなってきたが、先の全英オープンでは最終日に65をマークして通算17アンダー2位となっており、通算20アンダーと出来過ぎだったヘンリック・ステンソン(スウェーデン)がいなければメジャー6勝目に届いていたところ。それだけに、全盛期のプレーが蘇ったミケルソンが相性の良いこの地でどんなプレーを見せるかも興味深い。

 しかし日本のゴルフファンにとってバルタスロールと言えば、1980年の全米オープンを思い浮かべるだろう。最終日をトップタイで迎えたジャック・ニクラウス(米)と青木功の一騎打ちは、今でも記憶に鮮明に残っている日本ゴルフ史のハイライトのひとつだ。

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