快適に暮らせる動物園・水族館は?「エンリッチメント大賞」決まる 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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快適に暮らせる動物園・水族館は?「エンリッチメント大賞」決まる

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 NPO法人「市民ZOOネットワーク(東京都文京区)」が毎年、動物園や水族館での優れた飼育環境を実現する取り組みに対して贈る「エンリッチメト大賞」が決定した。本年度の大賞には「ふれあいペンギンビーチ 」(長崎ペンギン水族館)、「キリンのための飼育管理」(秋田市大森山動物園)、「オランウータンとシロテテナガザルの混合飼育」(福岡市動物園)の3件が選ばれた。

 「環境エンリッチメント(environmental enrichment)」とは、動物園や水族館に暮らす、動物たちの“幸福な暮らし”を実現するための具体的な方策のこと。

 市民ZOOネットワークでは、応募があった取り組みを書類審査で絞り込み、現地調査や関係者のインタビューなどの選考過程を経た結果、これら3件を選出した。それぞれの選考理由は下記の通り。
 
■長崎ペンギン水族館 ふれあいペンギンビーチ
「ペンギンが海を泳ぐ」という、あたりまえの状況を飼育環境下で作り出した日本初の試みが評価された。水族館に隣接する沿岸部分をネットと柵で囲い、砂浜部分を「ふれあいペンギンビーチ」としてオープン。飼育担当者の付き添いのもと毎日10数羽ずつが交代でビーチに出て自由に数時間を過ごし、終了時間になると館内のプールに戻ってくる。歩行や遊泳ができる空間が制限されている飼育下のペンギンの運動不足や、それが原因の一つにもなる趾瘤症などの問題も改善された。4年間、大きなトラブルや事故などもなく、来館者との適切な距離が保たれていることも評価の対象に。

■秋田市大森山動物園 キリンのための飼育管理
キリンの飼育下での問題点を正しくとらえ、問題解決のために、トレーニングの手法を取り入れるなど、それぞれに対する丁寧で具体的な改善策が実施されている。主食を枝葉中心のメニューに変更することにより採食時間が大幅に延び、本来の行動パターンに近づけることができた。キリンは臆病で繊細な性格から、環境適応が不十分な場合、何かに驚いて事故が起こった例も少なくないが、トレーニングにより採血や体温測定、蹄のケアをおこなうことができるようになった。

■福岡市動物園 オランウータンとシロテテナガザルの混合飼育
2012年の「アジア熱帯の森」のリニューアルの際に、オランウータンとテナガザルの混合飼育を開始した。海外の動物園で実践されてるこの2種の混合飼育は日本では初めての挑戦。それぞれの種の魅力を引き出し、動物の幸せが自然と伝わってくるような飼育を実現している。また敷地の狭い日本において敷地・空間の有効活用の目的もある。

 エンリッチメント大賞2013」の表彰式と受賞記念講演会は12月7日(土)13:30~17:00(13:00開場)東京大学 弥生講堂 一条ホールにて行われる。作家の川端裕人氏と埼玉県こども動物自然公園園長・日橋一昭氏のトークセッションもある。参加無料。詳しくは同ネットワークのホームページで。http://www.zoo-net.org/


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