■ロジカルシンキングでコミュニケーション能力を高める
どんな職業でもどんな立場でも、「人にわかりやすく伝える」というコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を高めることが最も重要です。
ロジカルシンキングとは論理的思考のことで、物事を整理・分析・構成して結論を導き出し、筋道を立てて説明するスキルですが、これは、大人になってから急に身につくようなものではありません。
幼いころから「考えるトレーニング」を重ねることで少ずつ自然に身についてくるものなのです。「考えるトレーニング」の機会を子どもに数多く与えるのは、親にしかできないことで、子どもの人間力を醸成するために親が果たす役割は大きいのです。
5歳になる前ぐらいから、子どもに毎日、日記を書かせることは有効です。書いたものを必ず親が添削し、「ここはこう書いたほうがいいんじゃない?どう思う?」などと質問して、さらに本人に考える習慣をつけさせて下さい。
特に上手に書けたときは、花丸をつけて大げさなくらい褒めてあげましょう。
毎日の日課である日記は、子どもに「成功体験」を与え、自信をつけさせる良い機会になります。
日記には、特別なことを書かせる必要はありません。
その日にあったこと・思ったこと・気づいたことを考え、書く、それだけです。
自分の一日を振り返り、自分の言葉として書くことが、考える力を養っていきます。
デジタル日記でもかまいませんが、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に、あえて、基本である、紙に手書きすることをお勧めします。
もちろん絵を描いて添えるのもすばらしいです。
言語が伝わらない時は絵やイラストが有効なコミュニケーションツールになります。
さらに、日記の内容を振り返り、1週間に一度、家族の前で自分のトピックスを発表させるということを試みて下さい。
「今週もおうちで過ごしたけど、何が楽しかった?どんなことがやりたくなった?」などとお題を与えてあげると子ども発表しやすくなります。
家族が相手でも、前に立って自分の思いを伝えるスピーチをする。
それを聞いたオーディエンス(この場合は家族)は、「上手ね!わかりやすいね!」と拍手する。そうしたミニ発表会の積み重ねが、子どもに「ロジカルにわかりやすく伝える」ということを自然に身につけさせ、今後さらに求められる「コミュニケーション能力の高さ」につながります。(入江のぶこ:子育てアドバイザー、元・フジテレビ管理職)