■子どもの能力が一番発揮される「何か」を親が見つける

 自分の子どもがいったい何が好きなのか、一生懸命観察し、そして、好きなことに触れる機会を多く与えてあげて下さい。

 じっと本を読んだり、図鑑を見たり、タブレットで検索して調べたり、何かを学ぶことが好きなお子さんでしたら、東大など「学ぶための最高の環境」に身を置きたいと、自ら突き進んでいく可能性が高いです。

 しかし、学ぶことが好きではないお子さんに対して、親が、「絶対に東大に行きなさい」と強いることは、悲惨な結果を招きかねません。

 飽きずにずっと絵を描き続けている子には、画用紙やいろいろな種類の色鉛筆などを与える。いつでも歌って踊っているような子には「落ち着きなさい」と言ったりせずに、「上手だね、もっと歌ってみせて」と表現の場を与える。

 ゲームが好きで、どんなゲームでも周りを負かしてしまうような子であれば、「ゲームをしたらダメ」と言ったりせずに、どんどんやらせてみる。

 これから先、ますます「学力がすべて」という社会ではなくなってくるでしょう。

 成功というロールモデルも多様化しています。不登校だった子が家でパソコンに没頭し、ITベンチャーを立ち上げて成功したり、身の周りのことを動画でアップしたら人気となってユーチューバーとして名が売れたり、eスポーツで勝ち続け高い収入を得る人もいます。

 大切なのは、その子の能力が一番発揮される「何か」を親が見つけてあげて、その能力が伸ばせるような環境づくりを行うことです。

 そして上手にできたことをたくさん褒めてあげて下さい。親に褒められた、認められた、愛されたという記憶が、ストレス耐性が強く、自己管理ができ、柔軟で人間力の高い人格を形成します。

 そうすると、子どもは「自ら学ぶ」ことを楽しいと思い、自立した人間に成長していくのです。また、本人の好きなこと、得意なことをある程度極めたお子さんは、自己肯定感が強く、他の領域、例えば大学受験などに挑戦する際にも集中力を高めて良い結果を出します。

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ロジカルシンキングでコミュニケーション能力を高める