換言すれば、利用できるものは家族だろうが前妻との子だろうが隠し子だろうが利用するのが石田純一のしたたかさということにもなる。二年前には週刊文春が企画した『嫌いな夫婦』で堂々の一位を獲得したにもかかわらず、夫婦・家族の切り売りをやめない男なのである。そのくらいのエゲツなさがなければ芸能界では生き残れないだろうとは思うが。

 さきの肥留間氏が続ける。

「彼がバラエティタレントとして存在感を増したのは、どんな取材にも裏口から逃げるようなことをしなかったから」

 肥留間氏も石田純一を「俳優」ではなく「バラエティタレント」と呼んでいることはさておき、文春の読者が「嫌いな夫婦」ナンバーワンに推した石田だが、囲み取材にもしっかり応じるあたり、芸能記者のあいだでは石田の評判は実はよかったりもする。今回の、安保法案反対デモに参加したことも、メディアの取材から石田は逃げなかった。

「デモで壇上に立ったのは引っ張り出されたんだ。俺は純粋な参加者だったんだけど、時事通信と共同通信、NHKの記者に見つかって個別取材に応じたら、SEALDsの人に“来てください”って言われて。“戦争は文化じゃない”っていうのは、戦争は人々の営みを壊しちゃうじゃないですか。だから“文化じゃない”とアレに引っかけて言ったんですが、気持ちはもっと真剣なんです」

 そして、俳優(?)石田純一はこう続けた。

「テレビ番組を三つキャンセルされました。三十五年の芸能生活で、こんなのは初めてです。CMもひとつなくなったし、広告代理店を通して、厳重注意も二、三社から受けました。“二度と国会議事堂にデモに行くな”“メディアの前で政治的発言をするな”ってね。でも、世の中のためになることをやりたいと思っているので、“それは受けられない”って回答しました」

 男気ある発言だが、残念なことにこれが真っ赤な嘘だった。

 石田のオフィシャルブログを見ると、今年だけで株式会社チヨダのCMでマギーと共演とか、ナットウキナーゼ協会のCMに息子理太郎と共演したとか、フリーダムアーキテクツのCM撮影を四谷でやったとかSUV車の専門店グッドスピードのCM撮影をやった等々の記載があるが、彼の言い分が正しければ、株式会社チヨダかナットウキナーゼ協会かフリーダムアーキテクツかSUV車販売専門店グッドスピードのどこかが石田に「圧力」をかけたことになる。そーいうことだよな、石田?

<広告代理店を通して、厳重注意も二、三社から受けました。“二度と国会議事堂にデモに行くな”“メディアの前で政治的発言をするな”ってね>

 大事なことなので二回書きました。コピペしてません。

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