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撮影場所まで 1310円。

文・内藤みか

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左から後藤崇太さん、川村聖斗さん、高杉瑞穂さん、石川啓大さん。

左から後藤崇太さん、川村聖斗さん、高杉瑞穂さん、石川啓大さん。

イケメン俳優さんたちをとてもうれしそうに撮影する私。

イケメン俳優さんたちをとてもうれしそうに撮影する私。

 珍しい仕事を頼まれた。私に芸能プロダクション所属俳優4人を撮影してほしいというものだ。

 昨年私は「ダブルエム」という、その事務所に所属の川村聖斗くんをお借りして写真を撮り、iPhoneアプリにした。その時の写真を社長さんがとても気に入ってくださり、うちのホームページ用にぜひ撮ってほしいとおっしゃったのだ。

 私はその日、新橋で打ち合わせがあったので、撮影場所の人形町まではタクシーに乗り、1310円支払った。普段は滅多に乗らないのだけど、照明スタンドやレフ板にチョコレートまで持って、大荷物だったのだ。

 現地には圧倒的なイケメンさんが4人もいらっしゃった。そのうち2人はジュノンボーイコンテストファイナリスト。開店前のレストランをお借りしているのであまり時間はない。ご挨拶もそこそこに、私は妻夫木聡くん似の男性俳優石川啓大さんを撮り始めた。

 撮っている間は、照れ臭さも自信のなさもすべて吹き飛んでしまい、彼しか見えないほどにのめりこんでしまう。レンズを通して静かに美男子さんと見つめ合うという、とても眼福なお仕事だった。
 撮りながら感心したのは、彼らが自分でちょこちょこポーズを変えること。首を少し傾けてみたり、柔らかく微笑んでみたり、相当撮られ慣れているのがわかる。

 彼らは芸能人なのだ。撮られる瞬間、瞳に一気に光が宿り、唇もきりりと結ばれる。すごいものだなあと感心しながらカメラをしまうと、社長さんからお食事に誘われ、思いがけずタレントくんたちともお話ができた。

 レンズ越しではなく、直に彼らと目が合うと、頬がぼっと熱くなり、声がうわずってしまう。私にとってレンズは彼らとコミュニケーションするための大切なクッションだったらしい。

 事務所の社長さんからワインを勧められたけれど、私は少ししか飲まなかった。実は泣き上戸なので、皆さんにご迷惑をかけられないからだ。

 けれどそう言うと、事務所のタレントくんたちが「今日くらい泣いていいんですよ」と励ましてくれた。泣きたいときは泣いてくださいとまで言われて、うれしくて本当に涙腺が弛みそうになった。ここのイケメンさん達は、外身だけでなく、中身もかなりのイケメンらしい。


(更新 2013/2/12 )


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プロフィール

内藤みか(ないとう・みか)

 小説家、エッセイスト。山梨県出身。デビュー当時「ケータイ小説の女王」の異名をとリ、現在も電子書籍サイトのダウンロードランキング常連。「年下男恋愛」「イケメン」についてのコンテンツを作り続け、「イケメン評論家」としても活動。近年はイケメン恋愛ゲームのシナリオや、芝居の脚本も手がけるように。『夢をかなえるツイッター』などSNSに関する著作も。近著に『誰も教えてくれない Facebook & Twitter 100のルール』。twitterアカウントは @micanaitoh

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