第1096回 バカ犬でいいから、長生きしてね 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1096回 バカ犬でいいから、長生きしてね

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 わが家の犬は、「耳が垂れ、白と茶のツートンカラーが可愛い」と市の動物愛護センターからもらってきた日本犬の雑種で、雌。名前はエリ(写真)。
 うちに来てから14年間、病気は一度もしたことがない、元気だけがとりえのバカ犬である。
 ところが、6月の日曜日の未明、突然に倒れた。急いで病院に連れていったら、「子宮蓄膿症で、放置すると子宮が破裂する。手術が必要だが、今は体力がないから死ぬ可能性もある。体力が回復するまで手術はできないけれど、安楽死もありうる」と獣医さんのショックな言葉。
 点滴のために両手、両脚の毛をバリカンで刈られ、プードルのようになった。20時間の点滴を1週間続けたら、4日目から少し動けるようになってきた。夫婦で毎日見舞いに行った。
 私たちの顔を見ると、尻尾も振るようになり、家に連れて帰ったが、食欲はないし、散歩も少ししかしない。言葉がしゃべれないので、エリの動作で一喜一憂する日々であった。母の介護のときよりも疲れてしまった。
 何とか回復したので、子宮と卵巣の全摘手術でさらに1週間入院。見舞いに行くと、「早く帰りたい」と擦り寄ってきて泣くのである。あれは鳴くのではない、まさに泣いていた。
 退院した後は、病巣がとられたせいか、元のように元気になった。ただ、楽観はできない。当分、病院通いは続く。
 元気になると、インターホンが鳴ると相手の声が聞こえないほど吠える、孫が来て抱いているとひがんで孫に飛びつく、自分の足拭き雑巾を噛みちぎる、と元のバカ犬に戻ってしまった。
 高い治療費を払ったのだから、腕白でもバカでもいいから、もう少し生きていてほしい。

(野田隆稔さん 愛知県/71歳/無職)

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(更新 2014/10/ 9 )


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