撮影:横関一浩
 撮影:横関一浩

 画家・作家として活躍した赤瀬川原平さんが10月26日、敗血症のため死去した。77歳だった。通夜、葬儀は近親者のみで行う。

 1937年横浜市生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)中退後、読売アンデパンダン展などに出展。60年には前衛美術集団「ネオ・ダダイズム・オルガナイザー」の結成に参加、路上パフォーマンスなどを展開した。65年には、千円札を拡大模写した作品を発表、「千円札裁判」として話題になり、有罪判決を受けた。また作家・尾辻克彦として81年、『父が消えた』で芥川賞受賞。98年には、年齢による衰えを肯定的にとらえた『老人力』がベストセラーになり、流行語大賞も受賞。ほかに『新解さんの謎』『赤瀬川原平の名画探険』など著書多数。

 カメラへの造詣も深く、90年代に写真家・高梨豊さんを家元に秋山祐徳太子さんと3人で「ライカ同盟」を結成。「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)には、96年1月号から休載をはさんで2013年6月号まで「こんなカメラに触りたい」を201回連載。ユーモアあふれる軽妙な文章と144回までは詳細なカメライラストも人気を博した。14年4月号からは再録「こんなカメラにまた触りたい」を連載中。『中古カメラウイルス図鑑』『中古カメラ大集合』『香港頭上観察』などカメラに関する著書や写真集も多い。

 現在、東京・町田市美術館で「尾辻克彦×赤瀬川原平」(12月21日まで)が行われており、千葉市立美術館では回顧展「赤瀬川原平の芸術原論」(10月28日~12月28日)が開催される。