すずき・おさむ/1972年生まれ、放送作家。数多の人気番組の企画、構成、演出を手がけるほか、近年はドラマ「M 愛すべき人がいて」の脚本、舞台「もしも命が描けたら」の作・演出なども務めている(撮影/写真部・高橋奈緒)
『僕の種がない』(1650円〈税込み〉/幻冬舎) 人気お笑い芸人の一太は、自分の最期の瞬間まで「面白くありたい」と、残りの人生の舵取りをドキュメンタリーディレクターの真宮勝吾に託す。「男性不妊」という難しいテーマを扱いながらも、「面白いことは尊い」という視線が作品全体を貫く。そこには、ビートたけしさんや明石家さんまさんといった、人生で起こったことを笑いに変えてきた、日本の大物芸人たちに対する尊敬の念が刻まれている