ひがし・なおこ/1963年、広島県生まれ。歌人、作家。96年、第7回歌壇賞、2016年『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞受賞。歌集『春原さんのリコーダー』、小説『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集『魚を抱いて』など著書多数(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
『フランネルの紐』(2310円〈税込み〉/河出書房新社)「針と糸と布。その三つさえあればどんな夢もかなう」(「あとがき」から)。ジャンルを超えた活躍を続ける歌人による、オムニバス短編集。刺繍、洋服、羽根枕──人の手から生まれるさまざまな物をめぐって、不思議であたたかな18の物語が紡がれる。小説の最後には短歌が添えられ、作品世界を優しく照らし出す