「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった5人の女性の本音とリアルに迫る。第11回は、番外編。ネット婚活で結婚に至った男性、下田敏春さん(仮名・54歳・会社員)の前編をお届けする。
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「彼女とは、ネット婚活のサイトで知り合って結婚しました。妻は12歳年下で、41歳です」
2年前に52歳で結婚した下田さんだが、その1年前に、つき合っている彼女がいたわけでも、好きな女性がいたわけでもないのに、突然自身のフェイスブックで「来年、結婚します!」と宣言。結果、本当に結婚して、昨年にはなんと男の子が誕生。今や1歳児のパパとなった。
「子どもを連れていると、孫とおじいちゃん、みたいで(笑)。子どもがいるなんて、今でもまだ信じられないくらいです。私も妻も、お互い子どもはできにくいと思っていましたから、結婚したらペットに犬でも飼おうと話してたんです」
ネットの婚活サイトで知り合ってから結婚するまで、たったの1年! たった2~3年で、彼女すらいなかった独身から、結婚、そしてパパに。
フェイスブックに宣言までして結婚した理由はなんだったのだろうか? その理由を探るには下田さんの10代まで遡ることになる。
■18歳で家出し、やりたいことをやってきた人生
下田さんは関西出身。18歳のとき、家出同然で家を出た。
東京で音響・映像関係の専門学校に通い、卒業後はおもしろいことをやってみたいと、茨城県つくば市で開催された「つくば万博」の音響の仕事に応募。アルバイトで、しかも音響の仕事ではなかったが、なかなか楽しい仕事だったという。