厳格化によって厳しい入試になってからは、私大専願の生徒は10校ぐらい受験。多い生徒はセンター利用入試を8~10校出願し、全部で15校ぐらい受験するという。

「以前は、志望校を2~3校、実力相応校を4校、安全校を2校受けるよう指導していましたが、入試が厳しくなってからは、絶対浪人したくないという生徒には、もう1校安全校を受験するようアドバイスしています。安全校は、高3の1番悪いときの成績をみて決めるようにしています」(河井部長)

■合格ラインが高くなっている

 同校を18年3月に卒業し、現在、明治大農学部に通う村上太一さんは、受験をこう振り返る。

「高2になった16年4月に、先生方から定員管理の厳格化で入試が厳しくなり、淑徳の合格者数が減ったと聞きました。そのときにはあまりピンときませんでしたが、何度も先生方に『厳しい入試になったから、センター試験の勉強をしっかりやるように』と言われたため、苦手だった英語のセンター試験の過去問を高2の冬から解き始めました。17年度の入試では部の先輩たちが浪人するなど明らかに前年よりも浪人生が増えたので、正直、焦りましたね」

 村上さんが受験生にぜひ伝えたいのが、「過去問で合格最低点をとれても、A判定をもらっても、安心しないで」ということだ。

「明大農学部は一般入試で合格しましたが、A判定をもらっていた滑り止めの大学や『7割とれば受かる』といわれていて8割ぐらい得点できた大学は落ちました。以前と同じぐらいの合格者数なら、合格最低点をとれていたら合格すると思いますが、合格ラインが高くなっている厳しい入試だということを肝に銘じてほしいですね」

 19年度入試はさらに厳しくなることが予想されている。前出の河合塾千葉現役館・須貝館長は、その厳しい入試を突破するために「授業の予習、復習を確実に行う」「一度間違った模試は必ず解き直す」など日々の勉強を確実に行っていれば「合格できる」と話す。最後まで諦めずに頑張ってほしい。

(文/庄村敦子)