津村:そうですね、地元感が強いことかな。スタジアムにはその土地の人が来てると感じました。何人かと話すうちに土地の人の気質がわかってきたりするんです。今年の開幕戦、栃木のグリ(ーン)スタ(ジアム)では、私がずっと大阪弁でしゃべっているから珍しがられて。どこから来たかと訊かれて大阪だと答えると、栃木VS大分の試合だったんで、なんで大阪から来たの?と、栃木ではすごく興味を持ってもらえたりしました。その一方で、北九州の人もまたすごく人なつこかったんですけど、北九州の人は、聞くんじゃなくて自分の話をするんです(笑)。

平畠:お仕事なんかでちょっと行ったりしてもわからないものなんでしょうね。

津村:そうですね、街の気質がわかりました。清水でも電車で地元の人としゃべりましたけど、いろいろ説明してくれたり、なんというか「ちゃんとしている感じ」でした。入り口に清水エスパルスのポスターが貼ってあったので入った喫茶店で、おばあちゃんとかがエスパルスの話をしてたりするんです。だから「よく観はるんですか?」と訊いたら、「エスパルスは、お金がないからね!」とかって突然話し出されたりとか。

平畠:話をすると、街の気質がわかるだけではなくて、土地にクラブがどのくらい浸透しているかもわかるという。

津村:そうなんですね。バスの一番後ろの席にいた、6人くらいで一緒に観に来てる男の子たちが、それぞれ別の話をしてたのに一人の子が「ちょっとみんな黙って!今年のエスパルスはすごく強いと思うんだよ」とか突然話し始めるのを残りのみんなが神妙な顔で聴いてたりしました。あと帰りのバスでスコットランド人のファンの方にも会いました。10数年前の天皇杯を観て三都主(アレサンドロ)のファンになったから清水まで試合を観に来たと。そのスコットランド人の方の人生を聞いたりもしました。サッカーというところからその人のいろんな話が聞けるんですよね。

平畠:入り口はサッカーでね。

津村:そうそう。こんなに世の中にはいろんな人がおるし、こんなにいろんな人がしゃべり始めるんだっていうのが驚きで。私はサッカーの試合を見始めたのがここ3年くらいで、今40歳なんですけどこんなに他人同士ってしゃべれるんだ、知らなかった、と思ったんです。サッカー観に行くようになってから知った。

平畠:垣根を越えられる何かがあるんでしょうね。

津村:人をそういう気分にさせるものなんじゃないかなって思いました。

(2018年4月13日放送 J SPORTS「Foot!Friday」より)

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