アメフト部におけるOBの力は大きいという。コーチの選定、シーズンがはじまるとほかのチームの情報収集や戦術なども含め、チームを影で支え、資金的なバックアップもするという。
「大きいのは、就職ですね。アメフトを続けるもの、やめて就職で仕事に専念するものなど、OBが希望に沿うように全面的にバックアップ。それは普通の大学にはない影響力があり、日大の門を叩いてくる学生も多くいます」
だが、今回の危険タックル問題で、前述した通り、OBたちも分裂してしまった。だが、一番困っている現役の学生だ。一昨年に卒業したOBは内情をこう話す。
「もう今年秋の公式戦には出場不可能でしょう。4年生のアメフト人生は終わったようなもの。3年生も就職をかかえ、不安げ。1、2年生はこれだけ悪くなった日大のイメージで試合したくない、転校できないかと考え始めている選手もいる。アメフト部ではない同級生からも『お前らのせいで、日大というだけで、就活でも変に思われ大変だ』と文句を言われ、頭を下げている。やはり、まず宮川選手を助けて、内田前監督や大学は非を認める。それがスタートラインだと思う。しかし、『常務理事でもある内田前監督が指示していないと説明したものを、覆して指示を認めようと言い出せる人間が大学にはいない』と聞きました」
日大内部での様々な分裂が明らかになった危険タックル問題。ますます混迷に拍車がかかりそうだ。(AERA dot.編集部)