エンゼルス・大谷翔平 (c)朝日新聞社
エンゼルス・大谷翔平 (c)朝日新聞社
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 今やメジャーリーグ中継ではおなじみとなった「スタットキャスト(Statcast)」。ざっくり説明すると、レーダーや高性能カメラを駆使して様々なデータを計測・分析・数値化するシステムで、データ好きな野球ファンにはたまらないサービスだ。

 その用途は多岐にわたっているが、例えば打球の飛距離やスピード、そして投球の球種ごとの平均球速や回転数なども各選手ごとに計測している。そして、それらのデータはメジャーリーグ公式サイト『MLB.com』で公開されており、そこには二刀流プレーヤーとして劇的なメジャーデビューを果たした大谷翔平選手(エンゼルス)が投打の両部門で上位にランクインしているのが確認できる(※以下のデータは現地5月19日終了時点のもの)。

 投球の平均球速では、フォーシームが97.1マイル(約156.3キロ)、カッターが96.6マイル(約155.5キロ)でランクイン。特にカッターに関してはメジャートップの数字を大谷は叩き出している。

 打球の平均速度は94.9マイル(約152.7キロ)で12位タイ。ちなみに打球の平均角度は7.3度。昨季のア・リーグ本塁打王に輝いたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が13.5度、ここまで今季13本塁打でア・リーグ3位タイのジョーイ・ガロ(レンジャーズ)の19.6度と比べると低く、大谷の打球はライナー性のものが多いことが見て取れる。

 もっとも、そんな大谷よりも上の数値をマークしている選手たちが多いのもメジャーリーグのすごいところ。投球の平均球速で見ると、先発の大谷とは違って全力投球がしやすいリリーフ投手ではあるものの、今季にメジャーデビューを果たしたカージナルスの21歳右腕ジョーダン・ヒックスの数値が圧巻だ。

 ヒックスのツーシームの平均球速はなんと99.4マイル(約160キロ)。そしてシンカーも99.2マイル(約159.6キロ)と驚異的なスピードを計時している。昨季までメジャーリーグの球速ナンバーワンとして君臨していたアロルディス・チャプマン(ヤンキース)でさえ、最も球速の出やすいフォーシームで98.8マイル(約159キロ)なのだから、ヒックスの球速は群を抜いている。特に5月1日のホワイトソックス戦で記録した102マイル(約164.2キロ)の超高速シンカーは、現役屈指の名捕手ヤディアー・モリーナでさえ捕球できないほどの球速と切れ味で、その場面をとらえた動画は瞬く間にファンたちの間で拡散していった。

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