ところが、それから間もなく、野党候補が決まったというメールが入った。発表のあった5月8日未明のことだ。だれですかと聞いてみると、その候補が池田千賀子新潟県議だ。

 私はノーマークだったが、この方の略歴を見ると、ちょっと見ただけで、相当根性のありそうな人だという印象を受ける。線の細い人ばかりという話は、どうやら間違いだったようだ。

 池田氏は、現在は、旧民進、社民両党系の会派「未来にいがた」に所属しているが、多彩な経歴を持ち、柏崎の市職員、市議などを歴任、社会保障のプロで、2児の母。さらに、市議を務めながら通信制で49歳の時に早大人間科学部を卒業という勉強家。一方で、全日本綱引選手権大会ベスト8、フルマラソンを毎年走り、4時間を切ったこともあるなど、文武両道に秀でた方だ。

 出馬会見を取材したフリージャーナリストの横田一さんに聞いたのだが、会見での受け答えが非常にしっかりしていて、この人なら行けると感じたということだった。

■えせ「県民党」で「脱原発」の争点化を避ける与党の戦略

 その観点では、池田県議は柏崎刈羽原発がある柏崎市出身で、脱原発派。同原発再稼働に慎重だった米山前知事の後継者としてはぴったりだ。

 また、池田氏に対しては、新潟県の選挙で大きな影響力を持つ市民連合も最初から支持する姿勢を打ち出している。幅広い県民からの支持を集めるため、前回知事選や衆議院選、参議院選などで掲げた文字通りの県民党代表として選挙を戦うことになるだろう。

 一方、与党側の候補者は、まだ、正式に発表されていないが、早くから有力視されてきた海上保安庁次長の花角英世氏(59)が近く出馬を表明すると報じられている。花角氏は国土交通省のキャリア官僚で、新潟県副知事を務めたことがある。出馬表明すれば、事実上自民、公明両党などの支援を受けることになるのは確実だ。

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