4月中旬、出会い系サイトで知り合った女性に金品を渡して交際したと週刊文春で報じられた米山隆一新潟県知事が辞意を表明し、その後の県議会で辞職が承認された。
新潟県のみならず、日本中の米山ファン、脱原発派の市民たちにとっては、本当に信じられない出来事で、もう、脱原発の灯が消えてしまうという悲鳴まで聞こえるほどだった。
その後、新潟県知事選の日程は、5月24日告示、6月10日投開票と決まったが、自民党系の候補が事実上決まったと報じられる中、野党側の候補の選定は難航していると報じられていた。
その間、4月25日には、立憲民主党の幹部から私に直接携帯に電話があり、立候補要請があった。それは丁重に断ったが、実は、それ以外にもあちこちで候補探しが行われていたようだ。
講談社のベストセラー『原発ホワイトアウト』の著者である覆面現役官僚、若杉冽氏(ペンネーム)も出馬要請を受けていたようだ。私は、彼に、立候補を勧めたが、おそらく、野党の体制に不安を抱いたのだろう。結局彼は要請を断った。
さらに、新潟選出の衆議院議員菊田真紀子氏擁立論も最後まで有力だった。私に電話してきた立憲民主党の幹部に、菊田さんがいいのではと聞くと、菊田さんは適任なのだが、菊田さんを出すと、その後衆議院の議席が空く。そうなると、今度は、そこでの戦いとなるのだが、自民党に勝てる候補が見当たらず、貴重な野党の議席が失われるので、なかなかそうも行かないんですよと話していた。
また、今回は、買春疑惑の後なので、女性候補の方が良いという声が強かったが、新潟に良い候補がいるのか疑問視する声もあった。女性県議などもいるが、どうも線が細いなどという話ばかり入ってきた。私は、新潟県の経済界で一定の発言力のある女性経営者を知っていたので、その方に声がかかるのではないかと思っていたが、結局、それもなかった。
そのような情勢で候補擁立に時間を取られれば、選挙運動の浸透も遅れ、知名度の低い候補だと、与党候補には勝てないのではないかと私は心配していた。おそらく、多くの人がそうだったのではないだろうか。