配当金は、企業が得た利益を株主に還元する際に分配されるものです。その企業の業績が悪化すれば、配当金が出なくなったり、減らされたりする場合もあります。

 株主優待は、制度を設けている企業の製品や優待券、食料品などを受け取れる特典です。すべての企業が株主優待を設けているわけではありません。業績悪化で購入時にあった株主優待がなくなることもあります。株主優待を受けるためには、企業が指定する株数を保有しているなど諸条件があるので注意しましょう。

 値上がり益は、購入時点より株価が上昇したときに株式を売ることによって得られる売買差益です。これから株価が上がる株を見極めるのはプロでも難しく、銘柄選択は決して簡単ではありません。定年後に収入を確保する手段として株式投資を考えている場合、配当金を出している企業から選ぶのが無難です。

 配当金は業績を判断する際の目安にもなるため、増配を続けている上場企業に注目するのも有効です。

 株式の購入を検討する際は、業績内容や業績予想なども必ず確認しましょう。上場企業の業績を知る資料として「決算短信」があり、各企業のホームページで公開されています。
 
 株式は証券会社を通じて売買できます。株式を買うのに最低限必要な購入金額は、株価と単元株数をかけた金額になります。

 上場している株式の売買は、株式市場が開いている時間に行われます。東京証券取引所の取引時間は平日の朝9時~11時半(前場)、12時30分~15時(後場)です。
 
 購入時と売却時に株式売買手数料を証券会社に払いますが、投資信託の運用管理費用(信託報酬)のような保有中のコストはかかりません。株式の売買手数料は証券会社によって異なります。

 一般的にネット証券が安く、店舗を構える従来の証券会社は高めの傾向があります。

◎深野康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルプランナー。さまざまなメディアやセミナーを通じて、家計、年金、住宅ローン、資産運用などの取材協力、相談業務をおこなう

(文/上田千春)

※週刊朝日ムック「定年後のお金と住まい2018」から

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