■岡崎慎司 安定しない出場時間で6得点。代表も起用法がカギに
ここまでの実績や経験を考えれば、日本代表で最も頼りになるストライカーであることは間違いない。本田と香川の選外は当時のコンディションによるものが大きいが、岡崎はレスターで限られた出場時間ながらも結果を残していただけに、より起用法の部分でハリルホジッチ監督に悩みがあるのかもしれない。
プレミアリーグの開幕戦で強豪アーセナルを相手に初ゴールを挙げると、第2節のブライトン戦でもゴールを決めるなど気を吐いた。これまでにリーグ戦で6得点を挙げているが、スタメンは11試合、フル出場は元旦のハダーズフィールド戦も含めて2試合しかない。10月下旬にクレイグ・シェークスピア前監督に代わってクロード・ピュエル監督が就任して以降、さらに出場機会が安定しない傾向が強まっている。
高い位置からの守備、前線での精力的な動き出しなどゴール以外の貢献を考えても、もっと出場機会があっても良さそうなものだが、基本的には1トップに深さを出せるFWを置き、中盤を厚くしたい指揮官の意向と岡崎の特徴がスタメン起用に関しては噛み合わない部分があるのも事実だろう。それは奇しくも、日本代表のハリルホジッチ監督の志向にも通じるものがある。
日本代表では、タクティカルチョイスとして相手のDFを背負ってボールを受けられる大迫勇也が欠かせない存在となっており、オプションとして高さのある杉本健勇などが招集されている。ただ、国内組で戦ったE-1では前線でFWを縦に並べる変則型の2トップもテストしており、岡崎の代表復帰にはプラス材料になるかもしれない。
2トップの一角でフル出場した元旦のハダーズフィールド戦はカウンターでの抜け出しからゴールネットを揺らしたものの、直前にファールがあったとしてノーゴールに。それでも岡崎の前線での躍動が攻撃を活性化させて3-0の勝利につながっており、ピュエル監督のプランに転機をもたらすかもしれない。
いずれにしてもハリルホジッチ監督が前線の形や機能性をどう考え、岡崎を組み込むイメージが強まるかどうかが代表復帰のポイントになる。サイドでの起用も可能だが、メインはセンターFWかオプションで“縦の2トップ”のトップ下だろう。
中央のFWの枠は2、3枚。ライバルは戦術的な柱の大迫よりも、杉本やE-1で台頭した川又堅碁といったタイプの異なるFW、サイドとのマルチロールで候補になる小林悠や武藤嘉紀になりそうだが、岡崎の経験や勝負強さは間違いなく頼りになるため、そこも加味して評価されるかどうか注目したい。(文・河治良幸)