■香川真司 12月の監督交代で好転し、スタイルも代表復帰に追い風
8月31日に行われた最終予選のオーストラリア戦で出場機会はなかったものの「自分のコンディションに関して監督も悩んだと思う」と起用法への理解を言葉にしていた香川だが、強豪を相手に実力を示す格好の機会と捉えていた11月の欧州遠征で外されるという指揮官の判断には不本意な思いもあったかもしれない。それでも、フランスやベルギーまで足を運びスタンド観戦。代表への強い思いを示した。
ドルトムント(ドイツ)では今季就任したペーター・ボス監督のもとで途中出場と途中交代を繰り返したものの、リーグ戦では今季初ゴールを挙げた第5節以降で出場がなかったのは2試合のみ。第7節のアウクスブルク戦は華麗なループシュートのゴールで話題をさらった。12月10日にボスが解任され、ペーター・シュテーガー監督が就任してからは1-2で敗れたバイエルン・ミュンヘンとのドイツ杯3回戦も含め、全ての公式戦にフル出場している。
昨季は台頭する若手に合わせてバランスを取るプレーが多かったが、今季は監督交代を経験しながらも、組み立てからタイミング良くゴール前に入っていくプレーが目立っている。12月12日のマインツ戦で試合終盤に決めたピエール・エメリク・ オバメヤンのアシストからのゴールは象徴的なシーンだ。さらに16日のホッフェンハイム戦ではドリブルでPKを獲得し、逆転ゴールのお膳立てで勝利に大きく貢献した。
基本システムは[4-3-3]でボス体制と大きな変更はないが、前線のスピードを武器に、より縦に速い攻撃で中盤とアタッカーが連動して崩す形を目指しており、出し手にも受け手にもなれる香川が重宝される素地がある。その点は代表とも共通するものがある。終盤に運動量が少し落ちる傾向は見られるが、フル出場の試合が長くなれば改善されるはず。このまま良い状態をキープすれば、攻撃的MFのポジションは選手層が比較的厚いものの、3月の欧州遠征で代表復帰する可能性は高まるだろう。