今オフでこのケースに該当するのが、ペドロ・アルバレス(前オリオールズ)だ。前述のジョーンズとはパイレーツでチームメートだったこともあり、2013年には36ホーマーで本塁打王に輝いている。しかし左投手には通算で打率.207とジョーンズ同様に脆く、今季はオリオールズとマイナー契約しか結べず。9月にようやくメジャー昇格したものの14試合で1ホーマーに終わった。

 それでも3Aでは138試合で26本塁打、89打点をマーク。まだ30歳という若さも魅力だ。守備はあまりうまくはないとはいえ、本職は三塁手という点もプラスに働くかもしれない。それだけに来季もマイナー契約ならどこかから声がかかる可能性は高いが、本人がマイナー暮らしに嫌気がさしていれば外国に新天地を求めることもあり得ない話ではないだろう。11月25日のサンケイスポーツによると、中日がアルバレスの獲得を目指していると報じており、その動向が注目される。

 2016年にブリュワーズで41ホーマーを放って本塁打王のタイトルを獲得したクリス・カーター一塁手も今季は不完全燃焼。一発の魅力はあれど昨季はナ・リーグ最多の206三振を喫し、打率も.222と典型的な「ホームランか三振か」の打者でチャンスに弱いタイプ。それゆえに本塁打王となったばかりのオフにもかかわらず戦力外となり、大型契約も結べず今年の春季キャンプ直前にヤンキースと格安で1年契約。しかも62試合で打率.201、8本塁打と結果を出せず7月に戦力外となり、アスレチックスとマイナー契約を結んだもののメジャー昇格することなくシーズンを終えた。

 もともと昨オフにも真剣に日本球界入りを検討と一部で報道されていたように、本人も来日の意向はゼロではない模様。今オフは1年前以上にメジャー契約が厳しい状況だけに、今度こそ日本球界入りが実現する可能性は高まっている。

【キャリアを立て直したい故障明け】

 過去の実績は十分ながら近年は故障で満足にプレーできていない選手というのは、いつの時代にもいるもの。こうした選手は大型契約が見込みにくいため、日本で短期間プレーして完全復活をアピールして再びメジャーの舞台に戻ることを考える場合がある。結果的にメジャー復帰はならなかったものの、2014年に楽天でプレーしたケビン・ユーキリス(元レッドソックスほか)などがそうだった。

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