初招集ながら、ハリルが高く評価した長澤和輝(右)(写真:Getty Images)
初招集ながら、ハリルが高く評価した長澤和輝(右)(写真:Getty Images)

 欧州遠征2試合目のベルギー戦、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は中盤に代表初選出の長澤和輝を[4‐3‐3]の右インサイドハーフで先発出場させた。12月に行われるW杯グループリーグの組分け抽選会で“ポット1”(開催国ロシアとFIFAランキング上位7カ国が入ることが確定している“格上”)と後半途中まで0‐0と接戦を演じる原動力の働きを見せ、今後の生き残りに大きくアピールした。

 攻守にハードワークしながら幅広く顔を出し、自分よりひと回りもふた回りも大きな相手に“デュエル(1対1)”を挑んだ長澤。マイボールになれば積極的にディフェンスの間に顔を出してボールを引き出し、中盤を組む山口蛍や井手口陽介へのつなぎ、酒井宏樹や長友佑都への展開、FWの大迫勇也をサポートするなど精力的に攻守に絡んだ。

 「ACLとはまた違って、ドイツにいたときの感覚に近い」。そう語る長澤は大卒で当時ドイツの2部だったケルンに加入し、1部昇格に貢献した経験を持つ。攻撃的なポジションの選手でありながら、前からのプレスではめるプレー、下がったポジションでブロックを作り、そこで縦を切るプレーなどをそつなくこなし、“デュエル”の局面では一度はがされても二度、三度と当たりに行けるタフさも発揮した。

 守備では[3‐4‐3]のベルギーに対し、基本的に長澤はアンカーのウィツェルにプレッシャーをかける役割が多かったが、左サイドハーフのシャドリと左ウィングのメルテンスが時にポジションを入れ替える状況で、中盤の底をつとめた山口が右サイドバックの酒井宏樹とともに右のワイドな位置で対応すれば、入れ替わりに中央の下がった位置を埋めた。

「中盤の選手にできるだけやらせないのと、3バックの部分からボールを持ち運んでくることに対してはコースを切りながら、ある程度ボールを持ってきたら制限をかける。自分たちがコンパクトに守備をできる距離感を持ちつつ、守備をすることは意識していて、ある程度コンパクトに守備ができていたかなとは思います」

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