加藤:ほかにも、聞いたことはあっても、詳しく内容を知らない質問も多いですね。
津田:たしかに難しい質問もあると思います。でもボートマッチでは、質問を見て「何が問題になっているんだろう」と考えることも大切なポイントなんです。例えば「アベノミクス」の意味がわからなかったら、自分で検索して調べてみる。
加藤:なるほど。アンケートの質問を見ることで、逆に、今の日本の政治で問題になっていることや、解決しなければならない課題が何か、わかるようになっているんですね。
津田:質問の内容がわかれば、自分が賛成か反対かも判断できるでしょう。政治や経済、社会のさまざまな問題を学ぶ、いい機会になりますよ。
加藤:それぞれの問題の争点が何か、知るきっかけにもなりますね。
茂木:「ヘイトスピーチ」についての質問もありますね。
津田:ネットを見ると人種差別的な発言が目立ちます。2016年の国会で「ヘイトスピーチ対策法」が成立しましたが、罰則がないので付けるべきだという人もいます。
向井地:人を傷つける発言は良くないと思います。
茂木:でも、むやみに規制したら、個人の考え方を拘束することにもつながりかねないと思います。
津田:そうですね。罰則を設けると、みんなに保障されている「表現の自由」を制限するおそれもある。両面から考えるべき問題ですね。
茂木:「カジノの解禁」って、どんな問題なんでしょうか。
津田: 日本では、賭博に当たるカジノは法律で禁止されています。ただ、パチンコや競馬は認められています。
加藤:なぜカジノはだめなんでしょう?
茂木:賭けごとに依存してしまう人が増えるからですか?
加藤:パチンコについても、依存症の問題が言われていますよね。
津田:一方で、日本にカジノがあれば、海外からの観光客がお金を落としてくれるから経済が回る、というメリットを主張する人もいます。法律で禁止したままだと、こっそり闇カジノを開く暴力団などの資金源になってしまうから、国が管理したほうが安全じゃないかという考え方もあります。