いま10代、20代の若者から圧倒的な支持を集めるYouTuber・HIKAKIN(ヒカキン)。人気絶頂ですべてがうまくいっているように見えるが、カリスマ的な存在になったゆえの悩みもあるという。YpuTuberを「日本の新しい文化」として注目している放送作家・鈴木おさむが、HIKAKINの”今”を聞いた。
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鈴木おさむ(以下、鈴木):YouTubeで商品紹介をやりはじめたのはいつごろですか?
HIKAKIN(以下、HI):2012年ですね。コンビニで売ってるジュースやお菓子などでやってました。当時はそれでも新しかったんです。
鈴木:僕は2009年に「お願い!ランキング」という番組を始めたんですけど、予算が少なく、タレントを使わずにCGで番組を作るというルールだったんです。困っちゃったんだけど「スポンサーを気にしなくていい」と言われたので、好きなことをやれた。食べ物のランキングでも、上位だけではなく下位の商品も紹介したり、「カップ麺に何を入れたらおいしいか」みたいなことをやったりしました。今のYouTuberの動画と似たような感じですね。
HI:たしかに似てますね。
鈴木:今ではタレント性のあるYouTuberもたくさん登場して、クオリティーもどんどん高くなった。これは一過性のブームではなく「カルチャー」になったと僕は思ってます。今では、HIKAKINさんを見て育った人がYouTuberになりつつある。
HI:若い女性のYouTuberに「小学生の時から見てます」と言われたことがあります。
鈴木:だからこそ、僕はHIKAKINさんには動画をアップするペースを落として欲しいなと思ってるんですよ。自分のペースを崩さずに、長くやり続けて欲しい。
HI:最近は減らしているんですけど、それでもけっこうしんどいですね……。もちろん仕事はうまくいっているし、とても楽しいんです。それに比例するように、疲れがたまっていくという部分も、正直あるんです。