■中国・四国

 国公立大のトップ40 に入ったのは6位の愛光(愛媛)、14位の広島学院(広島)、24位の岡山白陵(岡山)、26位の土佐(高知)、37位の高松(香川)の5校で、県立は高松(香川)だけ。あとの4校は私立の中高一貫校で、このうち広島学院以外の3校には寮がある。

 愛光は、男子生徒の約半数が寮に入っている。母親と一緒に松山に移り住む女子生徒もいるという。

「全国から生徒が集まっているため、出身地の大学、旧帝大、国公立大学ならどこでも、などの希望をかなえるため、全国の医学部の入試制度や入試問題を研究しています」(和田誠教育企画室長)

 愛媛大19人、東大3人など61人が国公立大医学部に合格。私立大にも59人が合格し、10位にランクインした。

■九州・沖縄

 国公立大のトップ10に3校がランクイン。4位の久留米大附設(福岡)は、私立大も14位と上位だ。

「国公立大医学部の合格者数は開校以来最多の78人です。例年、一学年約200人の生徒のうち3分の1ぐらいが医学部を目指します。17年は現浪あわせて、国公立と私立の医学部に90人以上が進学しました」(名和長泰教頭)

 久留米大附設より1人少ない77人で5位なのがラ・サール(鹿児島)だ。東大にも理IIIの3人を含む40人が合格している。

「文系と理系の生徒の割合によって、医学部の合格者数が変わります。昨年より文系が増えましたが、理系では変わらず医学部が人気ですね」(谷口哲生副校長)

 10位の本(熊本)は、2年連続で公立トップだ。05年から17年までの間に9回もトップになった。52人の合格者のうち約半数の25人が地元の熊本大に合格している。

 高3の英数国の教科書を高2で終える中高一貫校に対抗するために、3年の1学期までに教科書を終了する。40年以上前から実施している「校内模擬試験」の成績をもとに、7月と12月に行われる進路検討会で、志望大学の合格可能性などを検討する。

 九州の公立高校全体のレベルをあげるため、沖縄県を除く各県の県立校7校で「九州地区関係高等学校連絡協議会」を作り、持ち回りで授業参観などを行っている。

(文/庄村敦子)

※週刊朝日ムック『医学部に入る 2018』から抜粋