プロ入りか、大学進学か。その動向に注目が集まっていた清宮幸太郎(早稲田実)だが、9月22日に会見を開き、正式にプロ志望を表明した。
10月26日に行われるドラフト会議では複数の球団による1位指名が確実視されているが、スラッガータイプの選手は入団するチームによってその後が大きく左右されるケースが多い。そこで今回は過去の実績などから清宮にとって、よりフィットしやすいおすすめの球団を選出した。
まず外国人選手と重なりやすいファーストというポジションを考えると、指名打者制(DH制)を使うパ・リーグの方が出場機会に恵まれることは間違いない。その中でも高校生野手の育成という意味ではやはり日本ハムをおすすめしたい。
日本ハムの最大の特徴はその抜擢スピードである。実績のある選手は、厳格な予算上限があることからフリーエージェント(FA)、トレードで球団を去ることが多い。それに対し、日本ハムは『スカウティングと育成で勝つ』という明確な理念を掲げており、一年目から二軍で実戦経験を多く積ませる方針を貫いている。
今年、二軍の規定打席に到達している選手は5人いるが、4人が入団三年目以内の選手でそのうち2人はルーキーである。一軍のレギュラー野手の大半が高卒ということも清宮にとっては追い風となる環境だろう。
次におすすめしたいのがソフトバンクだ。育成選手を多く抱え、三軍制を敷いており、実戦の機会を確保しやすいというのが何よりプラスである。12球団でナンバーワンの選手層の厚さがあり、他球団からの補強にも熱心なため、日本ハムに比べると抜擢が遅れる可能性は高いが、それでも高卒の生え抜き選手が育つ土壌がしっかりできていることは間違いない。早稲田実の大先輩であり、清宮自身も目標と語っている王貞治会長の存在も大きなプラスとなるだろう。
パ・リーグでは西武もおすすめの球団だ。中村剛也、浅村栄斗、山川穂高、森友哉など日本人の強打者タイプの輩出という意味では日本ハム、ソフトバンク以上のものがある。
主砲の中村に故障が多く、シーズンを通じての活躍が難しくなっているため、次代の4番候補を育てたいという思いも強くなっているだろう。中村、山川のように守備と走塁は平凡でも「長打力」という一芸がある選手をしっかり起用できる土壌も清宮にとっては大きなプラスだ。