柏レイソルの大谷秀和(左)と横浜F・マリノスの齋藤学(写真:Getty Images)
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 8月31日に行われるロシアワールドカップアジア最終予選、オーストラリアとの試合(9月5日のサウジアラビア戦も含めて)は「勝てばW杯が決まる」という決戦となる。2015年から始動したチームの総決算。ここで大幅な選手変更は考えられず、ハリルジャパンとして戦ってきた選手たちの真価が問われることになるだろう。

 もっとも、けが人の状況はある。まず、最近先発が続いていたFW大迫勇也(ケルン/ドイツ)は代表招集が厳しい状況だ。本田圭佑もメキシコのパチューカに移籍したばかりでケガも抱え、まだデビューを果たすことができていない。さらに守備陣でも森重真人(FC東京)が長期離脱で絶望的。厳しいやりくりになることは間違いない。

 しかし、ここは新たな選手よりも、現有戦力の踏ん張りどころだろう。トップは岡崎慎司(レスター/イングランド)が地力を見せる番だし、サイドは久保裕也(ヘント/ベルギー)が台頭著しい。センターバックの昌子源(鹿島アントラーズ)は6月のイラク戦でも抜擢され、着実に腕を上げている。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、今まで使ったメンバーで戦うのは道理である。

 そんななかで、あえてJリーグで新戦力を探すなら、杉本健勇(セレッソ大阪)、齋藤学(横浜F・マリノス)、大谷秀和(柏レイソル)の3人になるか。それぞれ所属クラブが優勝争いを展開。代表選考にふさわしい活躍を見せている。

 FWの杉本はゴール前での決定力が格段に向上した。ユン・ジョンファン監督のおかげで、得点する仕事に集中するようになって、ゴール数が増加。現在は得点ランクトップタイに立つほどで、サイドに水沼宏太というクロッサーを得たことも大きい。

 齋藤は親善試合でハリルジャパンでもプレーしているが、予選での出場はない。今シーズンはゴールこそ遠いが、サイドから攻撃を牽引している。カウンターでも、ポゼッションでも、崩しきる能力は飛び抜けている。

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