もちろん海外組の岡崎慎司は大舞台を何度も経験してきた強みがあり、最近は選出外となっている武藤嘉紀も代表復帰をイメージしてブンデスリーガの開幕に備えている。一方で、昨年の敵地オーストラリア戦で1トップを務めた本田は、右足の状態と高地適応に時間を要するという理由でパチューカ(メキシコ)で開幕から3試合連続メンバー外となっており、短い準備で迎える大一番の戦力としては計算しにくい状況だ。

 2トップの採用、あるいはサイドにターゲットマンを配置する戦い方もオプションになり得るが、アウェーのサウジアラビア戦も想定に入れながら、オーストラリア戦での戦術適性、コンディション、経験を総合的に見極め、ベストのチョイスを模索していくことが求められる。もし大迫が何とか間に合った場合でも、今回はハリルホジッチ監督にとって最大の難関となるが、このミッションをクリアすれば先に待つ世界に向けても視界が開けてくるはずだ。(文・河治良幸)