90年代には外国人枠が緩和され、従来の2人から3人、さらに98年からは4人までとなり、外国人の救援投手も目立つようになった。サファテが塗り替えるまで、外国人歴代最多セーブの記録を持っていたのが横浜、巨人で活躍したマーク・クルーンだ。安定感に欠く内容から「クルーン劇場」と揶揄されることもあったが、当時のNPB史上最速の162キロを記録するなど、話題の多い投手だった。

 ヤクルトに5年間所属した林昌勇が通算128セーブで歴代3位。ヤクルト所属時の09年にはWBCの韓国代表として、決勝戦でイチローに決勝タイムリーに打たれたシーンは印象的で、彼はのちにMLBのマウンドにも立った。韓国人ストッパーといえば、中日での4年間で98セーブをマークした宣銅烈も記憶に残る。「韓国の至宝」と呼ばれた右腕は、同時期に中日に所属したサムソン・リー(李尚勲)とともに強力ブルペンを形成した。

 リリーフでクローザーの投手よりも、中継ぎで強烈なインパクトを残したのがジェフ・ ウィリアムス(阪神)だろう。オーストラリア出身のウィリアムスは、藤川球児、久保田智之と「JFK」と呼ばれる最強リリーフ陣を結成し、通算141ホールドを記録。抑えとしても通算47セーブの数字を残した。

 80年代のビル・ガリクソン(巨人)や00年代のコルビー・ルイス(広島)など、日本での活躍期間は短かったが、帰国後MLBに復帰して大活躍する投手もいた。また現役で活躍する選手では、広島のクリス・ジョンソンが昨年、64年のバッキー以来、史上2人目の沢村賞に輝いた。デビューから14連勝をマークし、新人連勝記録と外国人連勝記録を更新したオランダ人のリック・バンデンハーク(ソフトバンク)など、外国人投手の需要が高まるばかりの日本球界では、これからまだまだ凄いピッチャーが登場しそうだ。

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