6月25日(日本時間)、プレーオフ決勝でヘタフェに敗れスペイン1部昇格の芽が潰えたテネリフェ。それは柴崎岳がクラブと結んでいた自動契約延長オプションの消滅を意味するもので、テネリフェサポーターにとってはチームのアイドルを失うと覚悟しなければいけない日となり、日本そしてテネリフェで柴崎の移籍を巡る狂騒曲の始まりを告げるものだった。
ベティス、アラベス、マラガ、エスパニョール、レバンテ、セルタ。
柴崎獲得に興味を示しているとして挙げられたスペイン1部のクラブの名前だが、すでにセルタはミニャンブレスSDがメディアの前で日本人獲得の噂を否定した。ヒット数を稼ぎたいネットメディアによる、確証のない都合の良い情報だけがソースとして日本に伝わり、獲得サイドのコメントや動きが全く見えない中身の薄い柴崎争奪戦がネット上で浮かび上がっている。
移籍直後、メンタル面での問題からチーム合流が遅れてしまった柴崎。助っ人としては“駄目外国人”のレッテルを貼られていてもおかしくなかった。だが、テネリフェのマルティー監督は、柴崎が試合展開に落ち着きとタメをもたらし、ゴール前でのひらめきでチームの力をワンランク上に上げることができる選手と信頼していた。また、サポーターもクラブW杯でレアル・マドリードから2得点を決めた日本人MFの才能を信じて辛抱強く待ち続けた。