そして少しずつチームへ適応し、プレーオフでは称賛に値する働き(4試合で1得点2アシスト)を柴崎は見せ、ピッチの中でテネリフェの人々が与えてくれた信頼と愛情に応えていった。因果にもプレーオフでのその活躍により多くのプリメーラのチームに柴崎の名前は知れ渡ってしまったのだが……
現状を確認すると代理人が各チームに売り込みをしている段階で、獲得に名前が上がったチームもリストアップはしているものの、他選手の補強と平行しながら日本人獲得を検討している状況と言える。個人的にはテネリフェで新シーズン、共に1部昇格を目指してほしいが、1部でプレーしたいという選手の希望や、来年に迫ったロシアW杯で日本代表入りするためには新天地を探すこともやぶさかではない。
セルタを除く前述の5チームの中を見た場合、一番適したチームはアラベスか。
結果が出なかった時に簡単にブーイングを飛ばすベティスのような盲目かつ熱狂的なサポーターでもなく、西澤明訓、中村俊輔(現ジュビロ磐田)らが結果を残せなかったことから日本人に対して懐疑的な目を向けるエスパニョールサポーターでもなく、チームを暖かく見守るサポーターがいるアラベス。また、アラベスの本拠地ビトリアは乾貴士の所属するエイバルと距離にして約60km、車で1時間も走れば着く位置関係で、日本人選手同士の交流が簡単にできる。