19席しかない超豪華バス「碧号」の外観(撮影/河嶌太郎)
19席しかない超豪華バス「碧号」の外観(撮影/河嶌太郎)
シートは全て本革で、1+2の3列の作りになっている。一番奥はトイレになっている(撮影/河嶌太郎)
シートは全て本革で、1+2の3列の作りになっている。一番奥はトイレになっている(撮影/河嶌太郎)
後ろから前を見た様子。前のシートとの幅の広さがうかがえる(撮影/河嶌太郎)
後ろから前を見た様子。前のシートとの幅の広さがうかがえる(撮影/河嶌太郎)

「バスの旅」というと安くてお手軽というイメージがあるが、近年はそうでもないらしい。観光バスの“高級化”が進んでいる。

【写真】豪華バスの内部はこちら

 旅行会社JTBは今年4月1日から座席数11、全座席に液晶モニターを備えた「ロイヤルロードプレミアム」を導入。阪急交通社が今年から導入した「サミットV.I.P.」も座席数10席のゆったりとした空間が売りだ。こうした高級バスを用いたツアー料金は約10万円から数十万円と決してお安くないが、売れ行きは上々。観光バスは単なる「移動手段」から「楽しむもの」へとシフトしつつあるようだ。

 国内貸切バスツアーの販売において業界トップの実績を持つ旅行会社・クラブツーリズムも今年7月1日、新たなバス車両を導入する。名称は「ロイヤルクルーザー四季の華・碧(あおい)号」。メディア関係者を招いた試乗会が6月23日、開かれ、記者も乗車することができた。「最上級」と胸を張る乗り心地をリポートする――

 案内された先には、濃い碧色をした巨大なバスが停まっていた。人の背丈3つ分ぐらいはあるだろうか……二階建てバスと見紛うその大きさにまず圧倒された。

 続いて車内に案内され、自分の身長ほどはある高さのらせん状の階段を上っていく。するとなんとも言えない、本革特有の匂いに包まれる。それもそのはず、車内のシートは全て薄茶色の革で覆われているからだ。シートは運転席側が1人掛け、助手席側が2人掛けの3列となっており、ゆったりした雰囲気を漂わせる。“超”大型バスでありながら、19席しか座席がないのがなんとも贅沢だ。

 いざ座席に着くと、シートが上半身を包み込む感触に襲われる。これだけで何時間でも座っていられそうだ。前の座席との距離も離れており、足を悠々自適に伸ばすこともできる。記者は飛行機の国内線のプレミアムクラスに乗ったことがあるが、それに負けず劣らず、座席空間が確保されている。前の座席にはムクの木で作られたという、テーブルの形をした手荷物置きがあり、この下に荷物を置くことも出来る。上段はテーブルのように使うこともできるし、足置きに使うのにも高さ的にちょうどいい。

 前の座席のポケットには、iPadが入っている。画面を開くと、「サポートガイド」というアプリが入っており、ここからバスの車内設備の解説を見ることが出来た。

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